胃の激痛で救急にお世話になる

ストレスに負けた

今『嫌われる勇気』という本を読んでいる。
アドラー心理学という物を分かりやすく示してくれる自己啓発系の本らしいが
対話形式の書き方が、私にはなんとも読み慣れず、なかなか先に進まない。
だが
私のような、子どもの痛みや悩みを我が事のように受け止め過ぎてしまうような人には必要な本なのではないかと予感している。

年末からの息子の受験モードに続き、一人暮らしのサポート、学校での人間関係に悩む息子のケア…
私は毎日胸が締め付けられるような不安と苦しみのストレスを抱えていた。

ここ数週間、息子は学校でトラブル続きだった。
昼食を抜く事もしばしばあって
勉強も山のような課題に苦しんでいた。
そんな息子を受け止められるのは私しかおらず
しかし私も気持ちに余裕がなくて口論になる事もしばしば
口論になって電話を切った後、後悔と反省で気分が悪くなる毎日だった。
その上、私立高校に通わせる金銭的不安から
日常的に飲んでいた大好きなビールも控えていた。
私の小遣いは0円である。
唯一の楽しみのビールひと缶さえも我慢することになり
私の全身はストレスの塊になっていたんだと思う。

次第に胃がキリキリと痛むようになり、
放置していたら先週の夕方立っていられない程の激痛に襲われた。
痛みには波があり、のたうち回る程の痛みだ。
時計は6時を過ぎていて、今から病院にお世話になるとしたら救急医療だ。
「お金かかる…」
その思いから床にうずくまりながら5時間耐えた。
激痛と吐き気で気が遠くなった。
夫は仕事で留守だったので、娘達に大変な心配をかけてしまった。

夫は10時頃に帰宅したが
私は「よくなるはずだ…」と激痛に呻きながら病院を拒否した。
何もできない私に代わり、夫が娘達の世話をしてくれて、
冷凍していた餃子を焼き始めたが、その匂いにまた吐き気がしてトイレに篭った。
何時間経っても一向に良くならず、
私は観念して病院に行く事にした。
夫が病院の救急救命に電話をすると、救急車を呼んでいいと言われたそうだが、
私は魔界に住んでいるので、
救急車など呼ぼう物なら、野次馬で噂大好物の近所のオッサンが飛び出してきて
救急車が到着してから走り去るまで一部始終を至近距離で立ち会うだろう。
断固拒否した。

問答無用で高い…

夫の運転する車で病院の玄関口まで来たが、
とても立って移動できないので車椅子で移動した。
救急車で運ばれたわけではないので、途中いくつか関所で止められ、都度手続きしながら進んだ。
激痛に耐えながらなので、車椅子でも辛かった…
救急車に乗ればストレッチャーですぐに医師のところまで運んでくれるのだろうが。

ようやく救急救命に着き、
看護師さんと研修医の先生から色々質問されたが、答える事もできなかった。
「検査なんかいいから早く痛み止めを…」と思ったが、
すぐ痛み止めを打ってくれるわけではないので、
10分くらいは激痛でベッドの上で身を捩らせ苦しんだ。
痛過ぎて呼吸も過呼吸気味だったので、手やあちこち痺れて動かすこともできなかった。
看護師さんが研修医の先生に「オーダー早く出してください!」と言ってたような気がする。
痛過ぎて朦朧としていたが。
やっとのことで点滴。
同時に採血、あとなんかエコーみたいな検査。
そしていまからX線で検査をすると研修医の先生が言い出した。
(いくらかかるんだ…)
点滴のおかげで思考力が回復してきた私は
金銭の不安から、検査と入院を拒否して、
その有り難い痛み止めと、水分補給であろう点滴だけ受けて、
痛みが引くのを待って帰宅した。

採血は頼んでないし、
エコーも頼んでないし、
エコーや採血の結果を待つ前に、痛み止めの点滴してくれたから、
できれば点滴だけで帰りたかったんだけど…

とはいえ、
5時間も自力でどうすることもできなかった苦しみを、
のたうち回る激痛を緩和して頂いたことは本当に感謝している。

翌日、
夫が会計に行くと、請求額は9000円だった。
高い…
言われるがままにX線検査までやってたらいくらかかったんだ?
こんな事で9000円もかかるなら、日頃のビール我慢しないで
こまめにストレス発散すればよかったよ。

それにしても
9000円は家計に大打撃だ。
私はショックのあまり、5分くらい呆然としてしまった位だ。
みんながみんなお金に余裕あるわけではないのに、
運ばれてきた人に色々検査して、後日びっくり額を請求するのが普通なら
具合悪くてもよほどの事がない限り
貧乏人は病院には行けないな…
と思った経験だった。

娘達とハンドメイド

そんなこんな、あの激痛はなんだったのか。
点滴で痛みを散らしただけなので
根本原因も調べず、治療もしてないので
当然すぐによくなる訳がない。
数日、私は静かに暮らしている。
できるだけ眠り、ストレスのかかる事は夫に任せて過ごしている。

いつものように動けないので、
週末は娘達と約束していた浴衣の『帯飾り』を作る事にした。
完全オリジナルなのだが、
夏祭りに来ていく浴衣の帯にパールビーズでネックレスのような飾りをつけるのだ。
今日はその部品の一つ。帯に挟み込む部分をプラ板で作った。
はんことペンを使い、私は一切絵には触れず、娘達がそれぞれデザインして完成した。
私はプラ板を切ったり焼いたりするだけだったが、
普段はあまり娘達と落ち着いて向き合ってあげる事ができなので、
とても良い時間だった。